臼蓋内転骨切り術のスケジュール
片側臼蓋内転骨切り術の場合、術前には通常400mlの自己血採血(1回)による貯血式自己血輸血を行います。したがって、術前の診察と検査が終わってから入院までに、通常1回来院していただくことになります。遠方の方は、平日の午後来院していただいて術前の検査を行い、近隣のホテル等に1泊していただき、翌朝の特診外来でご説明や術前臨床評価を行い、引き続いて自己血採血を行えば、通院の往復は1回で済みます。思想・信条・宗教上の理由で術前貯血式自己血輸血を行えない方は、術中回収血輸血のみで手術を行う方法について御相談に応じます。
両側同時寛骨臼移動術の場合は、術前には通常400mlの自己血採血2回(合計800ml)による貯血式自己血輸血を行います。したがって、術前の診察と検査が終わってから入院までに、通常2回来院していただくことになります。またその際に、術後に使用する特殊なコルセットを採型します。遠方の方は、平日の午後来院していただいて術前の検査を行い、近隣のホテル等に1泊していただき、翌朝の特診外来でご説明や術前臨床評価を行い、引き続いて自己血採血を行えば、通院の往復は1回節約できます。思想・信条・宗教上の理由で術前貯血式自己血輸血を行えない方は、両側同時手術の適応としておりませんので、片側ずつとなります。
寛骨臼移動術は原則として火・木曜日に行っており、入院は手術前日の午後となります。付き添いの方に病院にいていただきたいのは手術の1時間ほど前から術後ご説明するまでだけであり、夜間等の付き添いは完全看護のため必要ありません。付き添いをご希望になる場合は予めご相談ください。
片側の場合、手術室へは正午〜13時頃に入室します。執刀時間は1時間強、退室までには2時間半〜3時間程度かかります。術前貯血の有無にかかわらず術中回収血輸血を行います。
両側同時骨切り術の場合は、手術室へは11時〜正午頃に入室します。執刀時間は左右合計3時間程度、退室までには4時間半〜6時間程度かかります。術中回収血輸血を行います。両側同時予定であっても、片側が終わって対側へ移る際に危険と判断した場合は、片側のみで終了する可能性はあります。
力学的にはすぐに全荷重を可能とした臼蓋内転骨切り術ですが、手術の翌日は、自己血輸血を行っても痛みもありグロッギーのことが多いため、ベッド上で座るまでとしています。しかし、術後2日目には荷重歩行のリハビリテーション励行を開始します。両側同時寛骨臼移動術の場合は、術前に採型しておいたコルセットを装着してから離床開始します。
手術では内部は強固に縫合しますが、表皮は縫合せず、治癒を促す特殊なフィルムで被覆し更に防水フィルムで保護しますので、3~4日後に術創部を確認する以外に創部に触れることは通常なく、消毒処置や抜糸抜鉤の痛みを少なくしています。また大きな問題がなければ早々にシャワーが使えるようになります。
片側の場合、標準的には手術の9日後に退院予定となります。両側同時骨切り術後の退院の目安は、仕事などで急ぐ方は半月、自信を持てるのは1か月目頃と考えると良いようです。なるべく高い運動能力を維持していただくため、できるだけ早期に帰宅され、身の回りのことから始め早めに仕事等へ復帰するよう頑張ることをお勧めしています。
臼蓋内転骨切り術後のリハビリテーションは1か月目に大きな節目があります。手術から1か月目までは、専ら荷重歩行を励行し、独歩を確立させていただくことが目標です。この期間は可動域訓練はむしろ制限し、屈曲90°外転10°までに留めます。独歩が安定して行えるようになれば、1か月目以降は無制限の可動域訓練を強力に行っていただくことになります。ジムでのストレッチやヨガは良いリハビリテーションとなりますし、術後の痛み止めなどの服薬が終了して1か月経過すれば子作りも可能です。
退院後はなるべく普通の生活や運動をお勧めすることが多く、リハビリテーションに通院する必要はほとんどありませんが、近所の診療所からのご紹介で来院された方は、今後の受診も多々考えられますので、必ず元の診療所へお手紙をお持ちいただいています。
当院での臼蓋内転骨切り術後にダンスやバレエ、スキーやバレーボール、山岳トレッキングなどのスポーツを楽しまれる方は多いですし、コンタクトスポーツに復帰される方もいらっしゃいます。
当センターでの検診は、術後1〜3か月目の間に1度、以後は年に1回程度となります。
臼蓋内転骨切り術を受けられた患者さん御自身が、体験に基づいて貴重な情報を公開していらっしゃいます。




